志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

新高1春休みの宿題

こんにちは。

新高校1年生のみなさん,勉強をがんばっていますか?
とくに進学校に進学される方にとっては,この春休みの過ごし方と,入学後の1学期の勉強が大学入試に向けてもっとも大切となりますよ。ここで軌道に乗ると,ある程度は大学合格への道筋が立ったことになりますし,逆にここで失敗すると,取り戻すのはかなり困難となります。

今日は進学校の勉強の進度にについてお話ししたいと思います。
わかりやすいので数学を例に挙げますが,他の教科も同じように進度が速いと思ってください。

程度の差はあるかと思いますが,進学校では,文系数学の範囲,具体的には「数Ⅰ・A」と「数Ⅱ・B」が高2の秋に終わります。単純に計算すると,2年間で学ぶ内容を1年半で終えることになり,1.3倍超のペースで進んでいることになります。それ以降は,文系理系に分かれて勉強していくわけです。
1.3倍というとそんなに速くは感じないかも知れません。しかし,第一に高校の勉強は難しく,さらに分量も多いです。それに加えて進学校であるので学習する内容も高度になります。これがかなりきついはずです。

高校入学後に授業を受けて,進学校の生徒の多くが驚くのが授業が進むスピードが速いことです。できる子ばかりが集まっているのですから,それにあわせてどんどん進むわけです。しっかり予習(英語と古典は完璧に予習をしてください)をしようとすると,その量は膨大になります。簡単なところは,「これくらいはみんなわかるよね」と,どんどん飛ばすわけです。

昔,バトルロワイヤルという小説や映画が流行りましたが,高校の勉強は,「脱落したらそこでゲームオーバー」のバトルロワイヤルのような要素があると感じています。(この小説は読み,かなり面白かったのですが,殺人シーンなどもあり,かなり過激な内容です。)
どういうことかというと,理解ができなくなったら,そこでもう追いつけなくなる可能性が高いということです。
高校の数学でいうと,「展開」ができないと次の「因数分解」もできません。「展開」,「因数分解」の計算をしっかり身につけていないと,次の「平方根」の計算もおぼつかないでしょう。「因数分解」ができていないと,その次の「二次関数」で平方完成などができずに困ってしまうでしょう。「二次関数」できないと,…と,前の内容を理解した上での積み上げになっていくわけです。土台ができていなと,さらに高く建物を建てることは無理ですね。
だから,わからなくなったら,そこまで戻らないといけないのが高校の勉強(数学に限らず英語や古典でも)なのですが,進度が速いためにそれが極めて困難なのです。

ですから,高1の最初の勉強がうまくいくと,その次の単元もしっかり勉強すればできるようになるはずで,さらにその次の単元も…と,順々に理解できるレールに乗ったことになります。
逆に,高1の最初の単元でつまずくと,その次の単元も理解できず,そのためにまたその次の単元も…と,俗にいう「成績深海魚」になるピンチだということです。
さらにいうと,最初に上手くいった方も,どこかでさぼるとあっという間に傷口が広がっていきますね。高校時代の勉強をバトルロワイヤルのようだと書きましたが,櫛の歯が欠けるようにどんどんと脱落していくようなイメージでとらえるとよいと思います。そうならないためには勉強を頑張りつづけるしかなく,その第一歩が春休みから1月期にかけての勉強ということになります。大切さがわかっていただけたでしょうか。

よく,中学の成績に余裕があって高校に入学すると,高校の勉強が楽だということをおっしゃる方がいますが,英語でも数学でも高校でやるはじめのほうの内容は中学範囲と重複する部分があるから,というのが1つの理由です。例として,中学時代に,学習塾ですでに高校範囲の展開・因数分解を一部学習された方も多いはずです。ですので,春休みから1学期にかけて,多少さぼったとしても,中学時代の貯金で何とかなる場合があります。
私の考えですが,仮に成績下位で合格された場合でも,春休みにがんばれば,そんな差など簡単になくなってしまうでしょう。したがって,入学時の成績は本当は関係ないように思います。ただし,この時期には多くの方が程度の差こそあれ勉強の手を抜くものです。その結果,みんなさぼったために受験時の差がそのまま引き継がれ,さらにはその後の単元の理解度にも影響してさらに差が広がり,…という連鎖になることは多いのかなとも思います。

新高1のみなさんは,入学式まであと1週間あります。宿題に手を付けていない方も少なくないと思います。繰り返しますが,今時期の学習はものすごく重要です。今日からでもがんばってみてください。

また,高2,高3の方で,すでに勉強が遅れてしまっている方もいらっしゃるでしょう。
その場合には,基本的にはわからないところまで戻るしかないですね。教科書レベルの基本をもう一度戻ってやり直しましょう。間違っても,塾・予備校に通ってより高度な内容に手を付けようとすることだけは避けてください。長期休みの今がチャンスですね。

では。