志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

学力の二極化

こんにちは。

2022年高校入試の情報が知りたいのですが,まだ,北海道教育委員会のホームページにはアップされていないようでした。
今年の春に実施した2019年高校入試の速報版の報告書が掲載されていましたので,1点気が付いたことを書きたいと思います。

北海道教育委員会ホームページ

報告書速報版

国数英に関しては,裁量問題と標準問題に分かれており,全員が同じ問題を受けるわけではありません。
全員が同じ問題を受けた理科と社会について注目してみました。
報告書の中から理科と社会の得点分布を切り取ったのが下の図です。

イメージ 1

普通は,こうした分布のデータをつくると,グラフは正規分布に近い形(きれいな山のような形)を示すことが多いように思います。
しかし,このデータを見てみると,とくに社会科でその傾向が顕著ですが,山というよりは「台形」に近い形をしており,昨年と今年を比べても,今年のほうが台形により近い形をしていることがわかります。

問題が良くない場合(難易度などが適正に受験生の実力を測るのに適していないもの)には,分布がおかしくなるものですが,私が問題を見たところでは,良くないものとは感じませんでしたし,平均点も,今年の社会が32.3点(100点満点換算で53.8点),理科が31.9点(同53.2点)と,適切な範囲に収まっています。
得点分布が台形になっているのは,問題のつくりが原因ではないでしょう。

台形の分布になるということは,中央付近の得点者が通常よりも少なく,その分だけ得点の低い方と得点の高い方の割合が多いということになります。つまりは,相対的に,できない子が増えていて,できる子も増えていることが,データにも強く表れているのだと思います。
学力の二極化が進んでいるということでしょう。

もう1点,理科の高得点者が極端に少ないようにも感じます。
社会だと,51~55点…6.8%,56~60点…1.1%なのに対して,
理科だと,51~55点…3.6%,56~60点…0.3%となっています。

今年の理科もそこまで高得点が難しい問題であるようには思いません。さらには,ここ数年,北海道の理科が非常に難しく,それに合わせて対策も行ってきた方が多いでしょう。にもかかわらず,極端に易化した今年の問題でも,56点以上の方がわずかに0.3%しかいらっしゃらないのです。
子どもたちの理科離れと,理科が苦手な子の増加がデータからも読み取れます。

理科も社会も,実生活や実社会の中での理科・社会に関わる事柄を見聞していないと,学校や塾の勉強だけではなかなか成績が上がらないものです。身近な理科的な事象に興味をもつこと,ニュースなど世の中の動きに関心をもつこと,そうしたことが(小さいうちはとくにそうですが)想像以上に大切であるのです。スマホやゲームばかりだとうまくはいかないのかもしれません。

では。