志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

2022年北海道高校入試の変更点

こんにちは。

これまでにも何度かこの件について書いてきましたが,昨日,北海道教育委員会のホームページで正式に発表されました。

北海道教育委員会ホームページ_高校教育課

道立高等学校入学者選抜における改善の基本方針

ご覧になっていただくとわかる通り,A4ペラ1枚だけです。
また,内容も新聞報道の通りで,目新しい内容は含まれておりません。

・インフルエンザなどの場合に追検査が受けられる
定時制課程の選抜方法の多様化

という2点も新聞報道の通りです。

もっとも影響が大きく,みなさんが注目していたのは,学力検査の変更についてのことだったと思いますが,こちらも報道の通りの内容です。
・裁量問題を廃止して,全員が同じ問題を受ける
・基礎的,基本的な知識及び技能とともに,思考力,判断力,表現力等についてもバランスよく出題する
・各教科100点満点に変更する(現在は60点満点)
・試験時間を各教科50分に変更する(現在は45分)

仮に,大幅な変更があるのであれば,現時点で発表されていないとおかしいと思われます。
また,この紙1枚の内容しかないということは,ほとんど変更するつもりはなく,内申点の扱いであるとか3月の報道では検討するとされていた内容で,今回触れらていないものについては変更しないものと考えられるでしょう。

500点満点になったことで,学力重視になるのではないかという憶測もありますが,現時点では,次のように私は考えております。(正式な発表ではありません。)
今回の発表から考えると,相関表を用いる方法は継続されるでしょう。したがって,相関表だけで合否を決めるなら,内申点と当日点の比率が実質的に1:1となるため,この比率については変わらないとも考えられます。
ただし,以下の2点に注意が必要です。現在の相関表では当日点が12点きざみになっています。500点満点になることで,12×5/3=20点刻みに相関表が変更されるとしたら,新しい相関表も現行制度と実質は同じだということになります。この点数のきざみ方が変わると,当日点の扱いが若干だけ変更になることになります。
2点目として,北海道の高校入試では,単純に当日点+内申点の合計点だけで合否が決まるわけではなく,選抜方法は不透明なところがあります。しかし,実際に受験生を選抜する際,各高校では,当日点+内申点の合計点を参考にしている可能性が高いと考えられます。このことも推測でしかないのですが,仮にこの推測が正しいとすると,当日点と内申点の比率が,300:315から500:315に変更になったとも考えられます。

次に,検査問題についてですが,今までだと,裁量問題は1つの大問をまるまる差し替えていたので,例えば数学だと「小問集合」がないなど,バランスが良くなかった点を修正したいとの意図がくみ取れるでしょう。
通常問題と裁量問題をバランスよく組み合わせたような問題,加えて,思考力を問うような問いが増えるイメージが近いのかもしれません。今までは,通常問題と裁量問題の難易度の差が大きく,アンバランスな面もあったのですが,ここを解消することも目的でしょう。
入試問題としては,よりよいものになるだろうと期待しています。

これを書きながら考えたことですが,制度も検査問題も大きくは変わらないのだろうなということと,合否の判定について不透明で必ずしも公平とは言えない制度もそのまま残るのだろうなと,残念にも感じました。

最後に,今回の記事ですが,現時点でわかっていることは,リンクにもある教育委員会からの発表だけで,推測で書いた部分も多いということに留意していただくようお願いいたします。

では。