志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

ぼくは勉強ができない

こんにちは。

 

そういう読書の方法が良かったの悪かったのか,それはよくわかりません。

ふと考えてみると,自分は気に入った作家の作品ばかりを読む傾向があるなあと気がつきました。みなさん,多かれ少なかれ,そうした傾向はあるのかもしれません。楽しみのために読んでいるわけですから。ただ,それが果たして自分の人生にとってよいことだったのかと問われると,絶対にYESだとは言えないように思っています。

 

中学2年の夏休みに,太宰治の『人間失格』を読みました。はっきりこのときだと覚えているのは,高1の姉が読書感想文を書くために買ってきたものを借りて読んでことを記憶しているからです。私は姉と同じ高校に行きましたが,感想文の宿題が出るのは高1のときだけです。姉が2歳上なので,自分が太宰を読んだのも中2と断定できるのです。

高校に太宰治を愛読しているM先生という国語の先生がいらして,姉はその先生の推薦で『人間失格』を手に取ったのでしょう。

 

どんな内容だったのか,もうほとんど覚えていません。退廃的な世界観に逆に惹かれたとか,そのような感じの感想をもったように思います。

たぶんすごく面白かったのでしょう。次は自分で『斜陽』を買ってきて読みました。が…

 

「これ以上,太宰を読んだら自分は自殺してしまうだろう」

そう感じたことだけは,今も鮮明に頭に残っています。

それ以来(中学の教科書に『走れメロス』が載っていましたので,それが最後かもしれませんが),太宰治は二度と読むことはありませんでした。

 

太宰治は,歴史的な文豪であるのに,ほとんど作品を読んだことがない作家の1人ということになります。森鴎外もほとんど読んだことがありません。他には…と,枚挙に暇がないですね。

現代の小説家でも,村上春樹さん,伊坂幸太郎さん,東野圭吾さん,…と日本を代表する人気作家さんでさえ,一作品も読んだことがない方がいらっしゃいます。

 

若いころ,時間もあったのと,大学の図書館にはたいていの本が置いてありましたので,人から勧められた本は,必ず全部読むようにしていた時期があります。

自分では絶対に手に取らないような本もたくさん読みました。

意外?にも面白かったものも多いですし,視野が大きく広がったように思っています。

一番衝撃を受けたのが,山田詠美さんの『ぼくは勉強ができない』ですね。

これなどは,人から勧められなかったら,永久に読むことはなかったでしょう。

 

と,ここまで書いてきてわかりましたが,やはり特定の作家さんばかり読んでいるのは,ずいぶんと自分の人生の可能性をせばめているのでしょう。

「勧められた本は必ず読む」

この習慣を復活させてみようかと思います。とくに学生のみなさんは,試してくださると,得るものがいろいろとあるように思います。

勉強が得意な男の子であれば,『ぼくは勉強ができない』を読んでみてください。カルチャーショックを受ける可能性はあるでしょう。

 

では。