志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

中学受験のリスク

こんにちは。

 

先日,横浜ベイスターズが優勝すると思います。

でも,こんなことを書いてしまうと,連敗するかも知れません。

と,そんなことを書きましたが,それからズルズルと本当に連敗をしてしまいました。

目標なり願望なりは,口に出したほうがいい場合と,そうではない場合に分かれるような気がします。口に出すことで,自分へのエネルギーが得られ,周りからも有形無形に応援が得られる場合もあります。

逆に口に出すことが,負のエネルギーを吸い寄せてしまう場合もあるでしょう。

 

入試本番が近づいてくると,生徒たちはそれぞれ,微妙な心境の変化が顔に表れてくるものです。ものすごくできる子というのは,普段通りに堂々としていて,瞳の奥に静かな闘志と自信をたたえており,きりっとしたいい表情になることが多いです。

落ち着いて見守っていれば,ごくごく自然に合格していかれます。

 

普通は,多かれ少なかれ,不安が表情に表れてきます。苛立ちを隠せないような子もいます。ふわふわと気持ちが浮つく子もいます。

程度がひどい場合には,簡単にアドバイスをすることもあります。心配ないよと。

 

ところが,稀に,不思議なほど自信がみなぎっていて,自分だけは絶対に合格すると信じて疑っていないような表情になる子がいます。同時に,冷静さを失ってもいるのでしょう。舞い上がっているのかもしれません。つまりは,まったくいい表情ではないですね。

こうしたタイプは小学生に多いでしょうか。さらにいうと,こうした表情になるのは,決まって,成績がまったく届いておらず,客観的に見て合格は難しい子,しかも,かといって必死に勉強するわけでもなく,努力も足りていない子です。

こういう子は,「自分は絶対に合格するから」と,周囲に話してしまう場合もあります。しかし,周りの友達も,この子は難しいだろうなということはわかっています。周囲の子どもたちは,合格を公言する成績のよくない子に対して,あまりいい感情は持たない可能性が高いですね。負のエネルギーを自分から吸い寄せているようなものです。

多少のブレはあるものの,入試は成績順に合否が決まります。残念ながら,こういうタイプが奇跡の合格を果たしたことは,私自身は経験したことがありません。

 

では,3番目のタイプはどうして生まれるのでしょう。

とくに小学生の場合だと,仮にどんなに勉強をしていなかったとしても,自分は合格するのではないかと思ってしまうようです。

ところが,その自信(正確には過信ですね)が大きければ大きいほど,不合格になったときのショックも比例して大きなものになるでしょう。

また別の一面として,努力した量に比例して,受験を通して得られるもの,自分の力になっていくものも大きいです。努力が足りないと得られるものも小さいわけです。

 

不合格になったとしたら,だれでも大きなショックを受けます。

勉強を頑張った子たちは受験を通して大きく成長しします。そうした子どもたちは不合格になったとしても,ほとんどの場合は心配はなく,中学校でも前向きに勉強をがんばってくださるものです。失敗したといっても,受験で得たものも大きく,それが失敗から立ち直る原動力にもなるからでしょう。

 

逆に,勉強をほとんどしなかったのに自信満々だった子どもはどうでしょうか。得たものは少ないのに落ち込み方はものすごく大きいわけです。不合格のどん底から簡単には立ち直れないことも場合によってはあるでしょう。中学でも2年間くらい立ち直れないまま,自分は何をやってもだめだし目標も持ちたくないし何も頑張りたくないと,ひたすら無気力な状態に陥るようなことも少なくありません。

 

中学受験というのは,そうしたリスクも実は大きいものです。リスクを回避するには,一生懸命に本気で勉強に取り組むことが一番です。本気で頑張れないのであれば,見送ることも1つの有望な選択肢でしょう。この先には,高校受験もあります。頑張れる時期は自然と訪れますので,それまで信じて見守って差し上げれば,心配はないでしょう。

 

では。