こんにちは。
昨日,国語のことを書きましたので,国語について考えていることを書こうと思います。国語の問題というのは,当たり前ですが文章を読んで問題を解きます。
ところが,国語で点数を取れない子どもたちというのは,まったく文章を「読んで」いません。本人たちは,「読んだ」つもりなっていますし,「読んで」解いたと思っているでしょう。
しかし,つき詰めてたずねてみると,「読んで」いないことがよくわかります。
何となく字面だけを追って,「読んだ」つもりなっていることが多いです。もっともっと真剣に「読む」必要があるでしょう。
一文一文をすべて何を言いたいのか完全に理解しているかどうか,その上で,文章同士のつながりを理解しているかどうか,さらに文章全体で筆者が何を言いたいのかしっかりとわかっているかどうか,そこまで「読む」ことができれば,問いは簡単に解けるはずです。
ぱらぱらと小6のテキストをめくってみました。このような文章が出ています。頭の部分だけ書きぬきます。
「人はだれでも,他人を競争相手と見ている限り,正しい方法で優越感を持ちつづけるということは,不可能と見てさしつかえないでしょう。」
これを読むとして,
「人」は私たち人間のことだなあ。
「だれでも」だから,みんながそうだと言っているなあ。
「他人」,自分以外の他の人だなあ。
「競争相手と見」だから,他人と競争しているし,その人を競争相手と考えているのか。自分も勉強では〇〇くんと,習い事では△△さんと競争しているなあ。
「見ている限り」だから,限定的な条件で,仮定をしているなあ。
「正しい方法」だから,正しくない方法もあるのだろう。
「優越感」ってなんだ。正確にはわからないから辞書を引いてみよう。
…
上手に伝えられたかどうかわかりませんが,これくらい,単語一つ一つ理解しながら「読んで」ほしいのです。さらに一文全体で見たときに,筆者の言いたいことが捉えられているかどうかも確認します。
何となく,雰囲気は伝わったかと思います。
実際にやってみると,ものすごく時間がかかります。
20分で解きなさいという問題であれば,国語が苦手な方だと,1時間くらいかかるかもしれません。
ただ,こうした努力をつづけていると,だんだんと,「読む」スピードが上がってくるものです。スピードを優先して,それから「読む」精度を上げようとしても,それはほとんど効果がないことが多いです。
普段から,読書をしたり新聞を読んだりしている方は,知らず知らずのうちに「読む」力がついていることでしょう。それがないのであれば,このように練習することは有効であると思います。
国語について,「読む」という視点が欠落している学生の方,指導者の方は想像以上に多いと感じています。国語は文章を「読む」科目であるという,当たり前といえば当たり前なのですが,見落とされがちなことですので,注意が必要ですね。
では。