志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

読書と作文

こんにちは。

実は,数日前の新聞の「読者欄」に私の投稿が載っております。
他愛もない内容で,ご紹介するような意見ではないのでそちらには触れませんが,その文章のことです。

掲載される前に新聞社の担当者さんからお電話があり,校正して多少文章を変更したので確認してほしいとのことでした。「多少」と書きましたが,文章の趣旨は変えずに意図がよく伝わるようにと,結構大きく文章は変わっています。私は,特別文章が上手であるとかそういうわけではなく,むしろ下手なほうだと思っております。新聞社のプロの方が校正して書き直してくださった文章は,見違えるような出来栄えとなり,新聞に載ったのでした。

勉強やスポーツ,絵画などの芸術と比較したとき,文章の巧拙というのはきちんと認識されている方は少ないように感じます。勉強なら点数で,スポーツなら試合の結果で,絵なら見た目でと,(ほかにもいろいろなところから巧拙はわかりますが)これらはわかりやすく「上手」か「下手」か判断できるのに対して,文章の上手い下手はわかりにくいからかもしれません。

ただ,今回のようにプロの方に修正していただくと,自分の文章が上手ではなかったことが一目瞭然でしたし,このように文章にも「上手」か「下手」かというものがあることも明確にわかります。

文章に「上手」「下手」があるということを多くの方はあまり意識をしていない,したがって練習をすることも決して多くはない,というのは,現代の教育の欠点の1つではないかと思っています。
多くの公立中高一貫校の受検で課される作文であるとか,高校入試でも推薦で作文を書く必要があったり,国語の問題の中に作文が組み込まれていたりと,入試でも作文の力は必要となります。
いざ,受験対策となって書かせてみると,生徒によってその力は大きく異なっていることがわかります。

練習をしてもらうと,下手な子でもすぐにある程度整った文章は書けるようになります。
ただ,下地みたいなものがあって,良い文章をたくさん読んだ経験が多い子のほうが文章を書くのも上手です。いろいろな表現を知っていて語彙も豊富なことと,良い文章を真似することができること,良い文章と自分の文章を(読むことは知らず知らずのうちに比較していることになるでしょう)比べていることなどがその理由でしょう。

しかし,試験の作文ですから,内容面が勝負を大きく左右します。
この内容についても,普段からたくさん読んで,そして考えている子は良いものを書く傾向があります。
どうしたって「読んでいる子」には勝てないのです。

自分が書いた下手な原稿と,新聞に載ったすばらしい投稿を見比べて,そんなことを考えました。
今日が札幌では中学の卒業式でした。みなさん,ご卒業,おめでとうございます。春休み中には,今まで受験勉強でできなかったであろう読書をしていただくとよいのではないかと思います。

では。