志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

1点の重さ

こんにちは。

 

大学入試共通テストの英語の民間試験実施が延期されることになりました。

2025年入学(現中1生)の方を対象とする2024年度実施に延期をしたと発表されただけで,中止になったわけではありません。

また5年後にも大混乱や反発を招きそうに思うのですが,いかがなものでしょうか。

 

共通テストといえば,数学と国語で記述式が導入されます。

果たして,「短期間に」,「正確に」,しかも「大量の」答案を採点できるものなのでしょうか。少し採点が狂っただけで多くの方の運命が左右されるはずです。

 

大学時代に先生がこのようなことをおっしゃっていました。

合否ラインを1点変えると,20~30人の合格・不合格が変わってくると。

つまり,ボーダーラインにそれだけ多くの方がひしめいているということでしょう。本当に僅差の,センター試験の傾斜配点もありますから,小数点以下の争いを繰り広げているということです。

 

たまに,得点開示の結果を見て,「3点足りなくて落ちた。(550点満点とか1000点満点などの配点です)」とか,「あと,どこかで1題(5点,10点になるでしょうか)正解していたら合格していた。」などのことをおっしゃる方がいます。

あと少しでしたし,惜しかったとは思いますが,厳しい現実を考えると,得点順で並べてみれば,不合格者の中にその方よりも得点の高い方が何十人もいらっしゃることになります。

 

何を申し上げたいかというと,仮に共通テストで正確でミスのない採点ができなかったとして,記述部分の採点のズレというのは,想像以上に大きな影響が出るのではないかということです。

記述式の部分で生じた得点のズレは,個々の大学に合わせて傾斜配点をしたとしても,簡単に1点2点分に達してしまうことが少なくないでしょう。採点ミスで合否が変わる受験生が大量に発生するのではないかと危惧しています。

 

英語の民間試験が実施延期となり,一段落したような雰囲気がありますが,実は,まだまだ解決していない問題は残されています。

公平な入試制度となるように,尽力していただきたいものです。

 

また,受験生のみなさんには,1点をもぎ取っていく,最後まであきらめない,そうした勝負根性がものすごく大切なことをわかっていただきたいと思います。

 

では。