こんにちは。
昨日の北海道新聞に載っている「いきものがかり」の水野良樹さんのエッセーはなかなかよい話だと感じました。以下,記事の引用は「 」です。
「午前4時すぎ。夜明け前の黒い空に地平からじんわりと群青色が足されていく。街はもう,朝が来る予感の中にいた。」
という詩のような美しい書き出しで始まります。
水野さんはなぜ午前4時に起きていたかというと,早朝のアルバイトに出かけるためだそうです。
「受験に関わる諸費用はすべて自分で働いて払うと,よせばいいのに親にたんかを切った」そうです。
水野さんは現役で都内の私立大学に合格されます。「一度立てた目標が諦めきれず」仮面浪人をして第一志望の国立大学に挑戦されます。
早朝のアルバイト⇒大学の講義⇒予備校の授業(バイト代で2コマだけ受講料を支払うことができたそうです)⇒帰宅して勉強⇒2~3時間の睡眠,という生活を1年間つづけたそうです。
このあとの話が素晴らしいと感じました。
「なぜ自分はもっと全力を尽くせないのだろうか」と,歯がゆく情けない思いをしていたそうです。
しかしそこで,「自分はそのとき,初めて理解することができた。理想の投影ではない等身大の自分自身を。自分の背丈がわかったからこそ,背伸びもうまくなる。過度な期待も落胆もしなくなる。やるべきことに素直に向き合える。」と気つがれたそうです。
青春時代というのは何かと不安なものです。自分はどうなっていくのか,自分は何ができるのか,自分はどういう存在なのかと。しかし,どんなことでもかまいませんが,何かに一生懸命に打ち込んでみると,水野さんのおっしゃる通り,等身大の自分自身を理解できて,不安でなくなるでしょうし,自然体で生きていけるようになるでしょう。
水野さんが結びでも書かれていますが,合格しなければ意味がないですし,頑張ったから不合格でも価値があるとか,そうしたことはきれいごとでしょう。ただ,等身大の自分を知るというのは間違いなく財産になります。
水野さんの大学入試の結果がどうだったのか,それは記事には書いてありません。そこのところをちょっと補足します。
こうした仮面浪人生活を送った水野さんですが,満足に勉強時間が確保できたとは言い難く,普通は不合格になるでしょう。
実際に,前期試験では不合格となったようです。
ところが,前期以上に難関となる後期試験で合格されました。こうした生活で培われた人間力や精神力が良い方向に作用したのだと思います。
受験費用を親御さんに援助してもらっていたとしたら,果たして,合格をできたでしょうか。
著作権の関係で記事の掲載はできませんが,雰囲気は伝わったと思います。
受験生のみなさん,がんばってください。
では。