志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

覆面調査

こんにちは。

 

朝,テレビを見ていると,ある外食チェーン店が,各店舗の業務水準を一定以上に保つために,定期的に覆面調査を行っていると放送されていました。

 

これは働いている方からすると,非常に嫌なのではないかと思います。常に監視されている,信用されていないということですから。自主的によくしていこうとは思わず,監視に引っかかって注意されることだけはしないようにしようと,そんな気持ちで働くようになっていくのではないでしょうか。

 

チェーン店だとこれでいいのかもしれません。90点とか100点は求めないし,50点以下さえ取らなければいいのでしょう。60点くらいの店舗がずらりとそろうことになるでしょう。コンビニなんかは典型的にこうしたサービスになっているように思います。利用する側も80点以上など求めていません。

企業の姿勢としては,徹底的な「守り」の姿勢です。放送されていたチェーン店は,これからどんどんと店舗数を拡大したいそうですが,「守り」の姿勢のままでは限界があるような気がします。

 

学習塾でも「守り」の姿勢の会社が目立ちます。善悪は別ですが。

以前に勤めていた塾でも覆面調査を実施していたところがありました。

ある日,怪しい感じの問い合わせが入りました。万が一,お約束した時間に面談ができなくなると困るので(災害や電車の運休などの不測の事態です)お電話番号くらいは最低でも伺っていたのですが,それも教えてくださらないのと,一言でいうとなんとなくやる気のない感じでした。真剣みに欠けるのです。直感として,たぶん入塾はなさらないだろうなと思いました。

この方が覆面調査員だったわけです。後日,会議の席で,覆面調査員による全員の評価が書かれた資料が配布されました。ちなみに私はおおむね好印象だったものの「もっと強く入塾を勧めるべき」というようなことが書かれていました。今もそうですが,いいことばかりを並べて強引にでも入塾させるようなことはしていません。メリット・デメリット,他塾さんとの比較,現在の状況をお伺いしたうえでの考えられる選択肢と私の考え(場合によっては入塾する必要がないかもしれないとお話することもあります)をお伝えしたうえで,ご判断をしていただきます。「攻め」の姿勢です。

 

この会社では,どこに電話をかけたか逐一電話番号を調査もしていました。電話の件数が少ないと保護者との連絡が不十分だと怒られ,私用の電話をした場合にもばれてしまいます。

 

始終,このように「性悪説」にもとづいて監視をされていたわけですが,非常に離職率が高かったですし,社員のモチベーションの低かったのを覚えています。簡単にいうと,まじめにやるのがバカバカしくなってきます。迷惑をこうむるのは生徒たちやアルバイトの先生たちですね。

私はというと,自分の好きなように自分の納得ができるように指導しようと,出世は完全にあきらめて,会社の方針にときには逆らいながら自分の教室を運営していました。

 

この会社も「攻め」と称して教室数を増やしていったのですが,完全に体制は「守り」です。あまりうまくはいきませんでした。

 

この会社での経験も今は生きているわけですから,会社にはある意味で感謝をしていますが,朝,テレビを見て,当時のことを思い出し,複雑な心境になったのでした。

 

では。