こんにちは。
「努力は必ず報われる」と言いますが,首肯はできない言葉です。
自分はがんばったつもりでも,ライバルたちよりも努力が劣っているとしたら,その努力は結果に結びつかない可能性が高いでしょう。
また,成功するには運も必要です。努力したら必ず成功するとは言い切れません。
ただ,努力しないと成功は覚束ないことは事実ですし,失敗をしたとしても,自分の中に何かしらの財産は残るかもしれません。
そして,努力以外にも必要な要素として才能もあります。そのことも否定しません。
考えてみると,現実はかなり厳しいのですが,それも子どもたちには伝えないといけないと思っています。
ですので,どうしたいかは「生き方」の問題であるということと,成功するとは限らないし,運や才能も関係はしているのだけれども,それが自分が努力をしない理由にはならないし,努力しなけば成功することもないのだということをお話しています。
もちろん,前向きに希望をもてるように勇気づけもしますし,成功できるように最大限のサポートもします。
努力について書いていますが,もう一つの大切なこととして,「正しい場所」で努力をすることが挙げられるでしょう。
「才能」が関係すると書きましたが,才能のない分野でどれだけ努力をしたとしても,成果には限界があるように思います。
私の場合には,運動は早々とあきらめました。明らかに才能がありませんでしたし,好きでもありませんでした。
時間を掛けた割には強くならなかったのが将棋です。これは好きでもありました。だから,かなりの時間を将棋にかけたと思います。強くならなかった原因は,努力が足りなかったのかも知れませんし,やはり才能があまりなかったのでしょう。
子どもたちには,好きなことや夢中になれることを見つけて,それに一生懸命に取り組んでほしいともお話しています。
それが「正しい場所」であり,努力することで花開く可能性も高いでしょう。
勉強については,むしろ苦手な方のほうが多いように思います。どこからを「一流」とするのかは難しいところですが,世間的に評価される「一流大学」に進学される方は10%程度しかいないでしょし,名門の国立大学に限定すれば,その割合は本当に微々たるものになります。
では,勉強が必ずしも得意ではない方が勉強する必要がないかというと,それもちがいます。必要な勉強は必ずあるからです。
しかし,得意な分野をがんばっていて,そこで輝ける方は,苦手分野の勉強もがんばれることがあります。自分を肯定的にとらえて前向きに生きていることが理由でしょう。
勉強が大好きな方は例外ですが,多くの子どもたちの場合,勉強だけをやらせていれば勉強ができるようになるかというと,そうではないように思っています。ほかに大好きなことがあってがんばっているから,勉強もがんばれてできるようになっていくのでしょう。
勉強を強制して子どもたちが「正しい場所」を見つける機会さえも奪ってしまう,それは本当に罪深いことだと思います。
では。