こんにちは。
札幌市で,幼稚園の職員が新型コロナウィルスに感染していることが判明しました。調べてみて驚きました。私が通っていた幼稚園だったからです。感染は,ごく身近なところに迫っているのでしょう。
関係者のみなさまに感染が広がっていないこと,感染された方が早く回復されることを願ってやみません。
私は記憶力がいいのですが,些細なことをいつまでも覚えているため,いいことばかりでもありません。
この幼稚園の卒園アルバムには,園児たち一人ひとりが描いた似顔絵が載せられています。もちろん,描いたことを私も覚えています。
似顔絵を描き終えた私は,ものすごく上手に描けたと自慢したい気持ちでした。後年,それを見てみると,特徴を捉えて上手に描けているように感じます。園児としてはなかなかの出来栄えでしょう。
しかし,そこはたかだか六歳児です。その似顔絵には「鼻」がありません。卒園アルバムの似顔絵を母に見せて自慢したところ,ほめられることはなく,代わりに鼻がないことを指摘されたのを今でも覚えています。
特別な経験だから覚えているというよりも,そういう場面を映画のワンシーンのようにいくつも映像として記憶したまま忘れられません。
また,幼稚園の学芸会のことも覚えています。
私は「たぬき」の役でした。お面は一人ひとりが絵を描いてつくることになっていました。私は先生にお手本の絵を見せてくれと頼みましたが,先生からはお手本がないから自分で考えて描くように言われました。出来上がったのは,お世辞にも上手とは言えないお面でした。たぬきと見るのは至難の技だったのかも知れませんが,先生からほめられ,それをつけて出るように言われました。あるいは自分がこのお面で出るのは嫌だと訴えたのかもしれません。
当日は,自分が描いたお面をつけるのが恥ずかしくてこそこそしていたのを覚えています。
舞台で演技をしていると,「あの子は何の役だろうね。」「犬じゃないの?」という声が客席から聞こえてきました。恥ずかしいやら,情けないやら,悲しいやら,…このときの感情は今でも忘れられません。
大人が発する何気ない一言が,想像以上に子どもたちに影響を与えることも少なくないでしょう。この2つの悲しい経験もあり,こうしたことはいつも気をつけるようにしています。
私は「絵」が上手にはならなかったのですが,こんな経験もあって描くのが好きにならなかったのかもしれません。
では。