こんにちは。
昨日から模擬試験を実施しています。試験監督をしているため,暇な時間を過ごしているのですが,解いている生徒たちの姿を見ていると,いろいろと収穫があるものです。生徒ごとの課題が浮き彫りになる場合もあり,今後の指導に生かしていくことができます。
要領の良さ,頭の回転の速さによって,実力よりも数点ずつ多く得点できる生徒がいます。逆に,時間が余ってもあきらめてしまい,もう少し得点できたはずなのに,得点が伸ばせない生徒もいます。
こういうところが本質的な頭の良さなのかも知れませんが,仮に1科目2点違うとして,5科目だと10点も変わります。合格できる学校でいうと,1ランクくらい変わってくる可能性もあるほどの点数です。もちろん,合否にも大きく影響します。
しかし,粘り方,悪あがきの仕方などというものは,教えられて習得するものではなく,自分で身につけていかなければならないでしょう。
その練習の場が模試でもあります。
現在,藤井総太棋聖が二冠をかけて王位戦を戦っています。タイトルを保持するのが木村一基王位です。昨年,最年長での初タイトルを獲得されました。このブログでも何度か取り上げたと思います。木村先生は終盤の粘りがものすごいのです。防御力が強く,木村先生の王様を詰ますのは容易ではありません。
かつて私が加瀬純一先生の教室に通っているときに,何度か木村先生の指導を受けたことがあります。飛車落ちというハンディ戦なのですが,勝てるのではないかと思ってからが大変で,決めきれずに攻めあぐねているうちに,いつの間にか逆転されています。
一度はこちらが必死(次に必ず相手の王様を詰ますことができる状態)をかけたと思った局面から逆転されたこともあります。絶妙の受けが用意されていました。
こうした技術も,負けそうな将棋を必死になって粘りつづけてきたからこそ身についたものでしょう。悪い局面で全力を尽くす精神力も並大抵のものではありません。
テストも同様で,最後の最後まで1点をもぎ取りに行きましょう。練習でそれができないのに,本番でできるはずもありません。テストの見直しをしてみると,取れたはずなのに落とした設問も少なくないはずです。粘って粘って考えていれば,拾えるようになってくるはずです。
では。