志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

臨機応変に

こんにちは。

 

バスで通勤しておりますが,今朝はこんなことがありました。

バスが停留所を出発したところで,ご老人がバス停に向かって急いでいる姿が目に入りました。

足が不自由なようで,急ぐといっても少し足を引きずっているような具合ですし,杖を手にしてもいます。

あれれ,かわいそうにと思っていたところ,バス停からは20~30m離れていたのですが,バスは停車してご老人を乗せていました。

 

こういう風景を見ることは滅多にありません。

他の乗客の方からクレームが入る可能性もあります。また,バス停以外の場所で乗客を乗り降りさせることは,法律で認められていないはずです。

最近では,何でも無難に,マニュアル通りにという対応が増えている気がします。それでこうした場面に出会うこともめっきりと減ったのでしょう。

 

しかし,この運転手さんの臨機応変な対応はすばらしいですね。「きまり」がどうのとか,ルールに縛られていると,本質を見失いかねません。

このご老人も立派な方だと思いました。バスに乗るなり,よく通るはっきりとした声でありがとうございますとお礼を告げていました。他に乗客もいます。そこまで大きな声はなかなか出せるものではないでしょう。実に清々しいあいさつでした。

 

ルールから外れた「ズル」なのか,ルールに縛られない「機転の利いた対応」なのか,その差は紙一重でしょう。後者は「要領が良い」と言い換えてもいいかもしれません。

 

小学校高学年くらいから,だんだんとこの要領の良さが身についてきます。多面的な価値判断ができるようになり,教えられた「ルール」だけがすべてではないと気がついてくるのでしょう。

当然ですが,要領が良い子のほうが勉強はできる傾向があります。純粋に簡単な方法に気がついて学習を進められるという点もそうですが,勉強のやり方においても効率良く進められる傾向があるからです。

 

中学生くらいになっても,このあたりのことがわからない子が少なくありません。愚直に,教えられたままのやり方をつづけて,効率悪いままの作業をつづけていたりします。自分で考えて工夫することも苦手です。

こうした子たちには,良い意味での「ズル」を教えること,「ルール」よりも「目的」のほうが大切であることなど,教えていく必要もあるでしょう。もちろん加減は必要で,本当に「ズル」だけをするようになってしまっては,それこそ「目的」を見失っています。

少しずつ,それとなく気づかせることができれば,成績も上がるかもしれません。

 

勉強はしているけれど成績が伸びないという悩みをもつ方も少なくありません。

原因は人それぞれでしょうが,こうした原因もよく目にするものです。

 

では。