志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

「楽」しない

こんにちは。

 

将棋にもさまざまな「嵌め手」が存在します。

正しく対処されると必敗です。したがってプロの間では指されることがありません。しかし,アマチュア同士だと威力を発揮することがあります。

マチュアの勝負では考えられる時間が短いので,もしも対策を知らなかった場合に,限られた時間の中で正しく対処するのはなかなか難しいのです。

悪くいえば「嵌め手」,もう少し善意をもった言い方をすれば「奇襲戦法」となるでしょうが,一時的に勝率を上げるのには有効かもしれません。

 

しかし,そうした奇襲ばかりを覚えようとしていると,長期的に見た場合には強くはなれないでしょう。基本が疎かになるからです。

将棋の定跡にも似たようなところがあるかもしれません。教科書通りの手順というものがあり,それを覚えれば強くなります。しかし,教科書から外れた未知の世界に突入すれば,自分の力で考える必要があります。

定跡ばかりを追っていては限界があるでしょう。

 

勉強にも,よくない意味で「楽」をする方法はあります。将棋の「嵌め手」と似ているでしょうか。

たとえば数学だと,補助線を引いて相似な図形をつくって線分比を求める問題がありますが,高校で習うメネラウスの定理を使うと簡単に答が出ます。

二乗に比例する関数でも,x座標同士を足して比例定数をかければ簡単に変化の割合が求められます。

これらを用いれば,簡単に答は出るのですが,本当に力がつくかというと疑問符が付きます。

 

私がこういう「嵌め手」,善意をもったいい方では「テクニック」を教えないのかというと,状況によって生徒たちに教えています。

しかし,基本を理解していることが前提でしょう。「正しい」解き方,考え方を理解しないと力はつきません。そちらを教えた上で,「テクニック」も教えることがあります。

 

長い目で見れば,テクニックばかり覚えても学力の向上にはつながらない可能性があり,そこは将棋と同じですね。

定跡が教科書にあたるとすれば,それだけではなくしっかりと演習こなすことでさらに地力がついていくでしょう。

あくまで基礎・基本,自分の力で考えて解いていくことを重視すべきでしょう。高校入試はごまかしで何とかなっても,その先で困ってしまうかもしれません。

 

では。