志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

『自閉症だったわたしへ』

こんにちは。

 

推薦された本はなるべく読むように心がけています。

ある教育に関する本に,『自閉症だったわたしへ』(ドナ・ウィリアムズ著)は読むべきであると書かれていました。

数日前から読み始めたのですが,久しぶりに本を読んで大きな衝撃を受けました。まだ途中までしか読んでいないのですが,教育に携わる方なら必ず読むべき名著であると思います。

 

こうした仕事をしていると,発達障害のあるお子さまと接する機会も少なくありません。ADHDといって多動で落ち着きのない子であるとか,自閉症スペクトラムASD。昔はアスペルガーと呼ばれるのが一般的でした。)のお子さまであるとか,いろいろな方たちとかかわりを持てたことは幸せだったと感じております。

 

「こういう障がいがある方はこういった特性がある」というような定型的な傾向はあるものの,大切なのは一人ひとりを見つめてあげることでしょう。同じ障がいがある子でも,それぞれ強い個性があり,性格や長所・短所は大きく異なっています。

それを把握した上で一緒に勉強をしていけば,「普通」の子どもたちと同じように学んでいけるものでした。

このことに気がつくのにも長い時間がかかりました。指導に悩んでいろいろと試行錯誤したこともありますし,これからもそれはつづくでしょう。

 

自閉症傾向のある子たちがどのような「世界」に生きているかについて,私は知ることはできません。何の疑いもなく,こちらの持っている「常識」を当てはめて対応してしまう面がありました。しかし,それが正しいものであったかどうか,自信を持ってYESとは言えません。

自閉症だったわたしへ』は,自閉症の著者本人が,ご自身が育ってきた思い出を綴った自伝です。自閉症の方が,どのように感じて,どのように考えていたのか,どのような「世界」に住み,「外の世界」はどのように見えていたのか,ありありと描かれています。

この本にもっと早くに出会って,自閉症の方の「世界」を少しでも理解していたのなら,今までの対応ももう少し違ったものになっていたかもしれません。

教育に携わる方が読むべきだというのは,そうした理由からです。

 

さて,先日の広島での参議院議員選挙では,宮口治子が当選されました。

この方のご子息は重い発達障害をかかえているそうです。発達障害への理解が広がり,特別支援が充実するきっかけになればいいなと願っております。

 

では。