こんにちは。
今年のある私立高校の入試問題で,次のような選択肢の文章がありました。
次の中から正しいものを選びなさい,という問いの選択肢の一つです。
「日本と海外では,金と銀の交換比率がちがったため,大量の金が国外に流出した。」
私立高校の入試のあと,しっかりと私のアドバイス通りに入試問題を復習した生徒さんがいらっしゃいます。
その生徒さんに質問され,わからない問いを解説しているときに見た選択肢です。
この選択肢自体は正答ではありません。
選択肢の内容を無視しても,答を出す根拠だけは理解できます。
それでも,この内容について教えることになりました。
時期は幕末,1858年の日米修好通商条約をはじめとする安政の五か国条約が結ばれ,海外との貿易が開始されたあとの出来事です。
実際は,もう少し複雑な貨幣同士の交換の問題があるのですが,簡単に言うと次のようになっていました。
日本では「金:銀=1:5」,海外では「金:銀=1:15」の割合で交換していました。
外国から日本に銀を持ち込み金に交換します。
その金を外国で銀に交換します。
それをまた日本に持ち込んで金に交換します。
「銀5→金1→銀15→金3→銀45→…」と3倍,9倍と増えていきます。
さて,先日の北海道の公立高校入試では,このことを問う問題がありました。
復習したことが,現実に得点となって返ってきた瞬間です。
まじめに復習することが大切なのはもちろんですが,正答ではない選択肢についても勉強をしたことが得点につながっています。細かいところまで,すべて理解するまで徹底するというのも大切なことでしょう。
努力した方というのは,こうして報われることが多いものです。
では。