志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

科学的「事実」

こんにちは。

 

教科書に書いてある内容は,現在(正確には20~30年前の最先端の研究成果で)は「正しい」と考えられているものです。

何年も先に,それが間違えていたと判明する場合もあります。

 

社会科であれば,旧石器時代の遺跡捏造事件が有名で,上高森遺跡や馬場檀A遺跡などが教科書から消されました。

歴史の研究が進んで学説が変わり,教科書が書き換わった箇所も多いです。「公地公民」,「四民平等」,「(鎌倉幕府の)封建制度」などの語句は,多くの教科書から消えています。

 

社会科ほど変更がない科目が理科でしょう。それでも,昔は天動説が信じられていたのが,地動説が「正しい」とわかったように,教科書が書き換わることもあるでしょう。

 

さて,昨晩,ふとこんなことを思い出しました。

『キャンディ♡キャンディ』という漫画・アニメ作品がありますが,私も姉が観ていたために,子ども頃にテレビで観ていた作品です。

その中に,血友病の女の子が登場するなあと。しかし,これはおかしな設定ではないだろうかと。血友病とは,出血しても血が固まりにくい病気です。

 

高校時代には,次のように教わった記憶があります。

女性は出産する体の機能を備えており,周期的に大量の出血をするため,女性が血友病の遺伝子を持っていた場合には,ごく幼いうちまでに必ず死んでしまう。死にいたらしめるその遺伝子を致死遺伝子という。

 

インターネットで調べてみました。

すると,血友病の女性も存在することと,致死遺伝子の存在が現在では間違いだと考えられていることがわかりました。

新しい「真実」が発見され,常識が覆されていますし,教科書も書き換わっていることでしょう。

パラダイムの転換を目の当たりにして,小さな感動を味わっていました。

 

しかし,作者のいがらしゆみこ先生は,どうして血友病の女の子を登場させたのでしょうか。現代の医学ではそれが「正しい」設定だとわかっていますが,作品発表時の「真実」では血友病の女性は存在しえません。

いがらしゆみこ先生は,高校の大先輩にあたります。勉強も得意で,それなりに知識もおありのはずです。不可解ですね。

 

では。