こんにちは。
だれでもご存知の「赤とんぼ」という童謡があります。
♪夕焼け小焼けの赤とんぼ
♪おわれてみたのはいつの日か
この「おわれてみた」という部分を理解できない中学生がものすごく多いです。
古文の問題集に,次のような場面がありました。
ある僧が,浜辺で売られていた亀を助けて海に放します。その後,僧は船で旅をするのですが,その船が強盗に遭ってしまい,僧は強盗から海に身を投げるように脅されます。仕方がなく海に飛び込んだ僧が亀に助けられるお話です。
古文中に「(海に飛び込んだ僧を)亀のおへるなりけり。」という表現がありました。
「おへる」は「おえる」で漢字だと「負える」なのですが,「負う」の意味がわからない方が多かったです。
「荷を負う」,「責任を負う」などは今でも目にする表現でしょう。「背負う」の意味ですね。
先ほどの「赤とんぼ」の詞でも,「負われて見た」わけで,あとに登場する姐やにおんぶされて赤とんぼを見ていたというわけです。
「負う」がわからず,「追う」などと勘違いしていると,赤とんぼに追いかけれらたみたいなおかしな情景になりますが,そう取り違えている方,もしくはよくわからないという方が非常に多いようでした。
赤とんぼの歌詞,もしくは「負う」という現代語を,完全に自分の語彙として獲得していたなら,「亀のおへる」という古文も理解できるでしょう。
中学の古文は,こうした言語生活の豊かさが得点に直結するようなところがあります。もちろん,現代文でも言語生活の豊かさが大変に重要です。
何をどうすれば豊かにできるのか,具体的には難しいところですが,たくさん本を読み,自分でも書いて表現するというのは不可欠でしょう。
では。