志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

昔の女性の生涯

こんにちは。

 

先日,童謡「赤とんぼ」について触れましたが,幼いころからなんとも悲しい曲だなあと感じていました。

しかし,先日の記事を書くにあたって改めて歌詞を見ていると,たぶん悲しい詩ではなくて,子どものころの思い出を語ったもので,ほのぼのとした郷愁を感じさせる内容だなと気がつきました。

 

幼いころからの「悲しい詩」だという誤解はどうして生じたのか,少しだけ考えてみました。

おそらく,姐やの存在がそうさせているのでしょう。

当時としては,おそらく常識的な判断で,そういう女性はたくさんいらしたのだろうとはわかりますが,姐やの生涯が,女性が今以上に差別されていた時代を如実に物語っています。


姐やはおそらく小学校を出た後で,作詞者(三木露風)のご家庭に女中奉公に出されたのでしょう。そして,おそらく両親が決めた結婚相手のところへ,さらに,おそらくは何の面識もないお相手だとは思いますが,数え年15で嫁いでいきます。

現代の価値観で判断すれば,間違いなく虐待です。そんな女性の姿が垣間見られるから,悲しい歌だと受け取っていたのでしょう。

 

また,断片的な話しか聞いたことがなく,正確なところはよくはわかっていないのですが,私の祖母がどうやら継母から虐待されて育ったようです。祖母は明治44年(1911年)の生まれです。

ほとんど学校に行けず,カタカナと少しの漢字しか読み書きできませんでした。おそらく家でお手伝いをさせられていたのでしょう。毛じらみに感染したときには,お酢で頭をごしごしを洗われ,ほとんどの髪が抜け落ちてしまい,その後,きちんと生えてくることはありませんでした。なんとなくですが,幼心に他の兄弟姉妹とは違う扱いを受けて差別されていたことが感じ取れました。

そんな話を聞いてもいたので,自然と悲しい曲だと受け取っていのでしょうね。

祖母が冥界で幸せにしていることを願っています。

 

では。