志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

読書の効用

こんにちは。

元マラソン選手が,万引きで逮捕されたニュースが流れていますね。
「窃盗症」という病気だったそうです。
もちろん,犯罪ですからそれを認めるとか,そういうつもりはまったくありません。
ただ,インタビューを見ると,病気だと知らなかった,止めようと思っても辞められなかった,ということもおっしゃっていました。
これが病気だと知っていたら,もしかしたら違った人生になっていたのかもしれないなと,同情する気持ちと,適正な治療を受けて社会に復帰されることを願う気持ちも持っております。

知っているかどうか,それだけで,物事が大きく変わることがあると思います。
私の場合ですが,読書から得ている知識が案外に多いことを感じております。
それも,専門の難しい本を読んだということではなく,何気なく読んだ小説なんかで副次的に得た知識が中心ですね。

最近だと,芸能人の方が「パニック障害」であることを告白して話題となりましたね。
私は「パニック障害」という言葉を20年くらい前に知ったと思います。
書名は忘れましたが,宮本輝さんの小説にパニック障害の女性が登場しました。男2人,女2人で共同生活をして,パニック障害の女性は医学部を目指して勉強して,というような内容でした。
別にパニック障害をテーマにしているわけではありません。どちらかというと恋愛がテーマだったかと思います。

ただ,それを読んで少しだけ精神の病気に理解があったため,(20年前ですので,まだまだ精神の病については広く知られていませんでした。)助かった経験があります。20歳を過ぎたころのことです。
家の鍵を閉めたかどうか,異常なまでに気になるようになりました。
大学に行くために駅まで行き,そこで戸締りが気になって10分の道のりを家まで引き返すとか,
出かけるときも,何度も何度も鍵を閉めたか確認するのですが,外出先でも気になって,予定を切り上げて帰宅するとか,
しかし,帰って確認したときに,本当に鍵を閉めていなかったことは一度もありません。
あっ,これは心の病気だなと思って,大学の保健センターの精神科の先生に相談に行きました。
本当に初期の段階で,まったく心配はなく,たまにお話ししながら様子を見ましょうと,ただそれだけで済みました。

元マラソン選手についても,何かの本で読んだとか,聞いたことがあるとか,誰かに相談したら,その人が病気について知っていたとか,そういうことがあれば,早くに治療できていた可能性はありますね。

勉強についても,裁判や犯罪に関係する小説を読んだので,何となく刑事裁判について知っていて,公民の勉強がよくわかったとか,
小説に化学の内容が出てきたので,ある化学反応についてよくわかったとか,
実は,読書をしていると,本来の目的とは少し違って,知らず知らずのうちに様々な知識を獲得できていることがあります。
国語の力がつくことももちろんですね。

最近では,電車やバスの中で本を読んでいる方はめったに見かけなくなりました。スマホをいじっている方が大半ですね。ただ,スマホではなくて本を読むというだけで,もしかするとものすごくたくさんの恩恵を得られるかも知れませんね。

では。