志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

近藤誠也「くん」

こんにちは。

これを書いている今現在,藤井総太7段が,将棋の順位戦というもので近藤誠也5段と対局しています。
藤井先生がこれに勝つと,順位戦19連勝という新記録となります。
しかし,相手の近藤先生も幼いころから天才少年と謳われた気鋭の若手棋士です。勝負がつくのは日付が変わるころになるでしょう。果たして,どちらが勝つのでしょうか。

20代の将棋に夢中になっていた頃,当時は少年だった「近藤誠也くん」の名前をよく耳にしていました。
そのとき私は千葉県の市川市に住んでおり,市内に加瀬純一6段というプロ棋士の教室があって通っていました。その教室に通っていたOくんという小学生がおり,最初は私と互角か彼のほうが少し強いくらいだったと思いますが,すぐに私は勝てなくなりました。小学生でアマ4段くらいの棋力だったことでしょう。

ちなみに,プロの「段」とアマの「段」はまったく違います。アマの段級はつけ方がいい加減なところがあり(簡単にいうとお金で段級が買えます。),一概にはどうとは言えないのですが,アマ4段~5段くらいで大人の県代表に近いレベルと言えるでしょう。幼いころから才能を発揮し,アマ4段~5段になった全国の小中学生たちが,試験を受けて奨励会というプロ棋士の育成機関に入ります。奨励会では6級からはじまり,そこで4段になると晴れてプロ棋士となります。したがって,アマ4段はプロの6級か7級ということになります。

そのO少年ですが,いつも千葉県の小学生大会では準優勝でした。大会の結果を聞くと,きまって「近藤誠也くんに負けた」と返ってくるのでした。そうしたことがあり,直接近藤少年に会ったことはないのですが,この名前は頭の隅に鮮明に残されています。

その後も努力をつづけ,奨励会に入り,プロ棋士となって活躍されている近藤誠也先生。それに対して私はどうなったかというと,それからすぐにほとんど将棋を指さなくなりました。転職をして杉並区に引っ越したのと,仕事の関係で,土日にお休みが取れることも少なくなったためです。当然ですが,将棋はまったく上達しません。それどころか弱くなったとさえ思います。

少年と20代後半の大人なので比較するのは暴論でもあるのですが,近藤少年にも私にも,あの時点から現在までに同じだけの時間が与えられていのです。私も,プロになるのは不可能ですが,将棋に打ちみつづけていれば,相当に強くなれた可能性もあると考えられます。
ただ努力する道を選らばなったのですね。

つまるところ,私はそこまで将棋が好きではなかったのだと思います。
そこがプロ棋士の先生方との決定的な違いの1つであるとも思います。
「好き」というのはものすごく貴重な才能であるし,「好き」なことに打ち込める環境というのは非常に恵まれているのだなあと,チラリと将棋を見て,そんなことを考えました。

では。

【追記】
夜に書いています。藤井先生が負けて,近藤先生が勝ちました。新記録はなりませんでした。
また,近藤誠也先生の段位を「6段」と書いていましたが,「5段」の誤りでしたので訂正しました。申し訳ありませんでした。