志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

2009年

こんにちは。

イチロー選手が引退されました。
数々の大記録を打ち立てた偉大な選手ですが,意外?にも,「記録」ではなく「記憶」に残る名場面というのは少ないように思います。唯一誰もが知っている名場面は2009年WBC決勝の韓国戦で延長に放った勝ち越しタイムリーではないでしょうか。
引退のニュースを聞いて,この2009年のことを思い出しました。

2009年のWBC勝戦の日,私はちょうど引っ越しの日でした。
荷物の片付けが終わって,ガランとした部屋の真ん中にテレビだけを置いて中継を見ていました。引っ越し屋さんを待っていたわけです。
やがて引っ越し屋さんが来て,テレビも積んでもらい,新居への移動の最中もラジオで試合の様子を聞いていました。日本が1点リードで迎えた9回裏,ダルビッシュ投手が出てきたときに,「これはマズイぞ」と直感しました。

そんなときに新居に到着し,荷物を運び入れた後に真っ先にテレビをつけると,「ああ,やっぱりなあ」と同点に追いつかれ,ピンチがつづいている場面がテレビに映し出されたのを覚えています。
その後,ピンチをしのいで,10回表にイチロー選手の勝ち越し打が生まれるのですね。

イチロー選手がいなかったら,ダルビッシュ投手がメジャーリーグで活躍されることもなかったかもしれません。同様に,ダルビッシュ投手がいなかったら,このイチロー選手の名場面も生まれなかったわけですね。現実の物語というのは面白いものです。

この日,なぜ引っ越しをしたのかというと,勤めていた会社を辞めて,塾業界に転職をしたからでした。
そしてWBCから何週間かたった4月のある日,私のもとに訃報が届きました。まだ50代でしたが,中学時代の恩師が癌で亡くなったと。亡くなったのは,私の誕生日でした。
何となく運命のようなものを感じ,恩師のようにたくさんの子どもたちの明るい未来のためのお手伝いをしようと,強く心に誓ったのでした。それが,私の塾講師としてのスタートでした。

今年で,塾の先生になってからちょうど10年ということになります。思えばいろいろなことがありました。
引退のニュースを聞いて,2009年の駆け出しのころを思い出し,イチロー選手のように,これからも研鑽を怠らないようにしようと,そんなことを考えました。

では。