志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

自己肯定感

こんにちは。

国語の文章にこんなものがありました。若者たちの将来の夢についての考え方や人生における幸福について論じた香山リカさんの文章です。

「有名にならなくても,人々から注目されなくても,自分らしく生きていけば不安じゃなくなるはず」ということを,大人はどうやって彼らに実践して見せればよいのだろうか。

その大きさは様々ですが,子どもたちは将来について少なからず不安に思っていることでしょう。
勉強をまったくしない,悪いことをしてしまう,友達をいじめてしまう,親に反抗するといったことも,こうした不安感が1つの原因になっている場合があります。

子どもたちは,高校生くらいになるとずいぶんと大人に見えますが,たかだか10数年,小学生なんかだとそれ以下しか生きていないわけです。彼(彼女)らは自分の「大きさ」,「形」みたいなものがよくわかっていないため,どう生きていくのが幸せなのか,将来の自分は社会の中で生きていけるのか,どんな仕事についてどの程度の地位にまでなれるのか,…と,そうしたことがまったく見えず,不安にもなるのでしょう。

ただ,こうした不安感は,大人たちが価値観を知らず知らずに強要することであおっていることも多いように思います。
勉強をしなさい,そうしないといい高校にいけません,そうしないといい大学にいけません,そうしないとロクな会社に就職できません,それはお金を満足に稼げずに不幸になるということです,と。

もちろん,良い大学に行くこと,一流と評価される企業に就職することを否定しているわけではありません。目指して実現すれば本当に素晴らしいことですね。ただ,目指さないのも人生だし,仮に目指して失敗をしたとしても,それも人生だし,人生はなんとでもなるんだよ,ということは暗に示してあげる必要はあると思います。

1度の挫折を経験しただけで,自分は「レール」から外れたし,もうどうしようもならないから頑張っても無駄だし,何もしたくない,と,どうしようもない無力感,絶望感にさいなまれている子どもたちを見ることがあるのも事実です。

では,最初の香山さんの投げかけについて,大人たちはどうすればいいのでしょうか。
いろいろな答えがあるでしょうし,若輩者の私の考えでしかないですが…。
1つには多様な価値観を認めてあげることでしょうか。勉強以外にも,その子がもつすばらしい才能はたくさんあるはずですし,いろいろな人生,生き方があっていいはずです。
さらに大切なのは,子どもたちに「自己肯定感」を持たせてあげることでしょう。良いところをほめてあげて,すばらしい人間だと認めて信じてあげることです。そのことが,「安心感」にもつながっていくでしょう。

ただ,「不安感」が本当になくなるためには,子どもたち自身が自分の「大きさ」や「形」みたいなのものをわかるしかないように思います。一生懸命に何か対して打ち込んでいると,結果がどうであれ,そうしたものは見えてくるものです。1つ言えることは,そうやって子どもたちが何かに打ち込めるように,不安をあおるのではなく,信じてあげることで安心感を与えてあげることが必要だということでしょうか。

では。