志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

穏やかな気持ち

こんにちは。

昨日のつづきです。
勉強する理由は何なのでしょうか?

勉強することは,有形無形に人生を豊かにしていると思います。
子どもたちは,どうしても「有形」の部分ばかりを考えがちです。
しかし,「有形」の部分のほうが圧倒的に少ないのかもしれません。

「有形」のものですが,学歴を手に入れたので就職に有利であった。
資格を手に入れたので安定した収入が得られている。
など,一般に語られていることはたくさんありますね。人生を豊かに,と書きましたが,物質的に,金銭的に豊かにしているものが中心です。
しかし,勉強したからといって,必ず得られるという保証があるわけではなく,不確かでぼんやりとしたものでもあります。お金は大切ですが,お金が目的になるような人生ほどつまらないものはないかもしれません。したがって,「有形」のものは本当に少ないのかもしれないなと感じています。
また,こうした面ばかりを強調して子どもたちに勉強をさせようとすると,時として,子どもたちが将来に対して過度に不安になってしまって,かえって逆効果となることも少なくないように思います。

「無形」のものですが,こちらは逆に,精神的に人生を豊かにするものだと思います。
学問でいえば,哲学の分野になるでしょうが,哲学に限らず,さまざまな勉強をすることで,自分自身の生き方が形作られます。このことで,毎日を穏やかな気持ちで過ごすことができるようになるかもしれません。

文化や学問に関する基礎知識も身につけられます。
自然や芸術を愛でる気持ちが育まれるでしょう。

たとえば,毎日眺めている風景に,花や鳥などでしょうか,日々,小さな感動を得ているとか。
必要以上に人をねたんだり,恨んだり,怒ったりすることがないとか。
精神面の成熟や充実というのは,勉強をした効用でしょう。毎日毎日の生活を落ち着いて,豊かな気持ちで過ごすことができる,このことの価値は計り知れないですね。
しかし,子どもたちに理解できるかというと,これは難しいでしょう。
楽しいから,必要だからと勉強をつづけていて,結果的に得られていたと感じるものが「無形」のものであるのかもしれません。

一つだけ言えることは,
おそらく,ほぼ全員の大人たちが,「勉強をしていてよかった」と感じることよりも,
「もっと勉強をしておけばよかった」と後悔する回数のほうが圧倒的に多いということでしょう。
結局は,勉強する理由は大人にならないと理解できないことなのかもしれませんね。
ただ,大人たちがどう伝えていけばよいのか,伝えたいことのうち,10%もわかってもらえないかもしれませんが,試行錯誤する必要はあるでしょうね。
最低でも,いたずらに不安をあおって,「有形」の部分ばかりを伝えようとするのだけはやめたほうがいいのでしょうね。

では。