志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

小出監督

こんにちは。

昨日,小出義雄氏が逝去されたことをニュースで知りました。
ご冥福をお祈りいたします。

小出監督に育てられた有森裕子選手や高橋尚子選手の活躍によって,「ほめて伸ばす」という指導方針が広く世間で認められるようになり,指導方針,教育方針が大きく転換していくきっかけになったのではないかと思います。
有森選手は1992年のバルセロナオリンピックで銀メダル,1996年のアトランタオリンピックで銀メダルを獲得されています。高橋選手は2000年のシドニーオリンピックの金メダリストです。
92年といえば私が中学生のときで,当時は「叱る」という指導方針が一般的であったように思います。体罰もごく普通に行われていました。中学校でも,忘れ物をするとゴツンと1発げん骨を食らったことを覚えています。そういう先生「も」いた,というのではなく,男性の先生などはごく普通にそういうことをされていました。
そんな時代に「ほめる」という指導方針を貫いたのですから,その革新性は驚くべきものだと思います。

今,たくさんの子どもたちを見ていますが,怒られてやる気を出す子などいないわけです。
しかし今でも,「怒る」という指導方針をつづけている方は少なからずいらっしゃいます。当然ながら,体罰まではできないわけですが。
先生がすぐに怒ることによって,ある意味での「恐怖」によって生徒や教室を支配します。
それで,自分の指示にはすべて従わせます。勉強しない子も怒れば最低限はやってくるようになります。

ただ,私はこうした指導は絶対にやりません。
こうした子どもたちは,「怒られないように」行動する,「叱られないためにはどうすればいいのか」考えるだけで,主体的に行動しなくなります。また,常に,先生の顔色をうかがうようになります。一言でいうと,すごく卑屈な人間になってしまうことがあります。子どもたちに,そんな風には育ってはほしくないてですね。
何より,ピリピリとした変な緊張感が漂う教室になってしまい,伸び伸びと楽しく勉強することができなくなります。生徒もそうですし,教えている私もそれだとつまらないのです。
つまらない,楽しめないということは,ある程度のところで,できる生徒の学力も頭打ちになってしまうことでしょう。また,こうした生徒たちは進学後に伸びるのかどうか疑問でもあります。

そういうわけで,私は子どもたちをほめながら,自由に楽しくこれからも指導をつづけていこうと思っています。
小出監督のことを考えて,こうした気持ちを再認識しました。安らかにお眠りください。

では。