志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

人として

こんにちは。

昨日の高校3年生のときの話です。遠い日の記憶なので,ここまでひどくはなかったのかもしれませんが,雰囲気はこんな感だったと思います。

当時,学校に遅刻していくことが多かったのですが,遅刻した場合には,職員室に行って教頭先生に「入室許可証」をもらう必要がありました。
クラスと名前,遅刻した理由などを書いて,教頭先生に判を押していただくようになっていました。

いつも教頭先生はむすっとした様子で,ときには挨拶すら返して下さらずに無言でボンと判を押してくださるのでした。
遅刻などして,しかも私の場合には頻繁にしているわけで,けしからん生徒だと,そんな無言の圧力だったのかもしれません。しかし,挨拶すらしないのは褒められた態度ではありませんね。たまに,ちくりと嫌味ったらしく小言を言われたようにも思います。

そんなある日,いつものように「入室許可証」に判をもらいに行くと,今までとはちがって,ものすごく愛想の良い教頭先生がそこにはいらっしゃいました。
「いつも勉強をがんばっていて立派だね。もうすぐ模擬試験があるから,しっかり結果を出せるといいね。」
などとニコニコして声をかけてくださいます。
なぜ,豹変されたのか?
おそらく,私が学年でもトップレベルの成績で,最難関の国立大を目指す生徒だと知ったからでしょう。
それ以降,いつも笑顔での対応になり,たまに成績について褒められることや,勉強の様子について聞かれることがありました。もちろん,遅刻をとがめられることは皆無です。

なんだがひどい話だとお感じになる方が多いかと思います。
ただ,当時の風潮として,高校は受験予備校としての性格が強く,そのため,進学指導が最優先で,成績さえよければ何でも許されるというような空気感さえあったのは事実です。
私の高校が他校と比べて際立って特殊だったというわけでもなく,当時の札幌市内の進学校にはどこも似たようなところがあったと思います。また,今では進学指導だけではなく,人間教育にも注力するようにどの高校も変わっているということも付け加えておきましょう。

お子様の教育に熱心なあまり,「偏差値」や「成績」などといった価値観,ものさしを,これが唯一であり全てであるかのように子どもたちに押し付けてしまうことがあるかもしれません。そうまではならなくても,「成績」,「学歴」のような価値観を必要以上に重視してしまう場合は多いように思います。

そうなってしまうと,今日の話の教頭先生のように,教育としておかしな方向に向かってしまう可能性はありますね。というより,人としても問題があるかもしれません。
私はというと,成績さえよければ何も言われないのですから,ものすごく楽でした。勉強だけしていればいいのですから。国語の先生とケンカした話なども書きましたが,堂々と遅刻をしたり休んだりしていたこともそうですが,成績がいいのだから文句はないでしょう,という気持ちがあったのも事実です。やはり,人として,おかしな方向に向かっていますね。

こう考えると,偏差値などという指標は,本当に瑣末なものでしかないのかもしれませんね。

では。