志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

姑息

こんにちは。

以前に「二枚落ち」という記事を書きました。

水匠改という将棋AIに「二枚落ち」というハンディ戦でもまったく勝てないというような内容です。
試しにいろいろと対局をしてみたのですが,なんと「六枚落ち」という絶対に負けないだろうというハンディをつけても,数回負かされてしまいしまた。
ちなみに,「六枚落ち」の初形はこのようなものです。

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飛車角に加えて,桂馬と香車もありません。
上手はほとんど何もできないので,しっかり守っていれば,普通は相手が指す手がなくなってしまいます。
4級から5級くらいの方が,プロの方に教わるならこれくらいの手合いがいいだろうなというハンディです。
初段以上あれば,相当に負けないだろうなという手合いです。私はたぶん最低でも初段以上はあると思います。

ではどうして何度も負けたのか?
実は,何度か「六枚落ち」で対局しているうちに,まったく負けなくなりました。途中で敗因に気がついて修正したわけです。
一番の敗因は何だったかというと,自分の苦手な戦法で戦ったことでした。
将棋には,大きく分けて,飛車を最初の位置のままで戦う「居飛車」という戦法と,飛車を左のほうに動かして戦う「振り飛車」という戦法の2つがあります。
私は「居飛車」しかできません。ところが,この「六枚落ち」の場合,「振り飛車」のほうが勝ちやすいと考えました。

(将棋がわからない方は読み飛ばしてください)専門的に書くと,振って美濃にでも囲っておけば短手数で攻撃と防御の体制が完成します。「風車」のような形に組んでも完封できると考えました。しかし「居飛車」だと手数がかかります。

簡単に書くと,「振り飛車」だと簡単に守りの形が完成します。守りの形さえ完成すれば,相手は何もできないだろう考え,苦手な「振り飛車」戦法を採用したのでした。それで,負けないはずのハンディで何度も負けました。

将棋だけではなく,仕事においても,スポーツであっても,それから勉強でも,人生全般について言えることでしょうが,姑息な手段ではうまくはいかないものですね。そんなことを痛感しました。
自分のスタイルで正々堂々と戦うことも大切ですね。

勉強についていえば,なるべく楽をして成績を上げよう,手抜きできる方法はないだろうか,努力は最小限にとどめたい,…などと考える子どもは多いように思います。しかしそれで幸せになれることは多くはないように思います。

では。