志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

オツベルと像

こんにちは。

「オツベルと像」は宮沢賢治の童話です。
大人が読んでも考えさせられるような内容を含んでいます。

甥っ子のクリスマスプレゼントに,『オツベルと像』の絵本を買ってあげました。
甥っ子くんですが,「自衛隊」とか「テレビゲーム」なんかに興味をもっています。そういうものを買ってあげようとしたのですが,甥っ子の母である私の姉がいい顔をしないので,「教育に良さそうなもの」を考えてこれにしました。

予想通りでしたが,
「つまんない」と甥っ子くんは言っていました。
もう少し大きくなったときとか,何回か読んで物語の筋が完全にわかったときとか,そういうときに,何かかしら考えてくれるといいと思っています。

本屋さんに行ってもオツベルと像の絵本はなく,調べたところミキハウスさんで取り扱っているようでしたので,そこに買いに行きました。

ミキハウス『オツベルと像』

行った店舗では取り扱いがなく,何件か近隣の店舗に電話をしてくださり,それで最後に電話した店舗にだけ在庫があって買うことができました。決して高価なものではないのですが,丁寧に対応してくださり,恐縮してしまいました。価格の印刷された部分をシールで隠し,きれいにラッピングしてくださり,お店の出口までお見送りしてくださいました。高価のものを買ったお客様に対しても,そうではない方に対しても,同じ対応をされているのでしょう。

なんでもかんでも合理的に,そして損得勘定で打算的に動いて利益を出していこうと,そういう風潮が強い世の中だと感じていますが,そうではない部分こそが真理であるようにも思います。
勉強でも,「必要なことだけ教えてください」,「必要のないこと,試験に出ないことは覚えません」という子が少なからずいますが,こういう子も学問の分野で真理にはたどり着けないと思います。
『オツベルと像』にも,「お金儲けさえすればよいのか」,「悪いやつを懲らしめればそれでいいのか」といった考え方が描かれているように思います。

勉強ができるとか苦手だとかそういうことも大切かも知れませんが,それよりも人の痛みがわかる思いやりのある子に育っていってほしいなと,そう願って『オツベルと像』を贈った今年のクリスマスです。

メリークリスマス!