志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

大学入試改革

こんにちは。

世間で話題の大学入試改革についてです。
数年前から話題になっていますね。
これからは,「思考力」,「表現力」も問われる入試になりますと,新制度での入試に向けて新しく講座を作ったり,講座の内容をゼミ形式のような感じ変更したりする塾・予備校や中学・高校もたくさんありました。
アクティブ・ラーニングがもてはやされているのは,その代表例と言えるでしょう。

数年前,大学入試改革の衝撃が業界を走り抜けていたとき,私は「別に勉強する内容は変わらないのではないか,特別な対応が必要なことは少ないのではないか」と,冷静な気持ちで見ていました。

最近では,新制度入試がどのようなものになるか大枠がはっきりしてきました。後だしジャンケンみたいですが,あえて,その当時に思ったことを書かせていただくと,
①「思考力」,「表現力」は,難関大学の入試では普通に問われていたことであり,上位層の受験生にとっては,求められる力というものは何ら変わりがないこと。
②「思考力」,「表現力」といっても,基礎学力があった上でそれらが必要とされているのであって,まずは基礎学力を鍛える必要があることには変わりがないこと。
③大学入試で「思考力」,「表現力」を問われることにより,各高校が受験生に求める力にもそれらが含まれていること。そのため,高校入試でも(学校によっては中学入試でも)「思考力」,「表現力」は問われていて,中学生もそれに対応する力を身につけるための勉強をしていること。

まとめると,今まで通りの勉強で問題ないだろうな,となります。
①について補足すると,本日,東大や一橋などで二次試験が行われていますが,どちらも社会は論述です。一橋だと400字論述が3題出ます。よーく考え,そして表現する入試なわけです。他教科でも「表現力」,「思考力」が問われるのは言うまでもありません。
②については,基礎学力がないと,表現するにしても思考するにしても,その材料(つまり基礎知識)がないわけです。「表現力」,「思考力」に偏重した塾の講座,学校の授業なども散見されますが,果たして,大学入試で成果は上がるのでしょうかね。

センター試験に変わる新テストの施行調査問題も公表されていますが,どの科目も70%くらいは従来の試験とほとんど変わりがありません。残りの30%については,センター試験でも少しずつ盛り込まれるようになっていた「思考力」が必要な問題が増え,採点について公平性を疑問視する意見がありますが,記述(「表現力」を問う)が組み込まれている感じです。
各大学に二次試験で必要な力が,共通テストでも少し問われるようになった,それだけのことでしょう。

英語の民間試験の利用についても,公平性の観点などから導入するには問題点が多いと指摘されており,各大学の合否にはほとんど関係がないレベルでの導入になりそうですね。(すべての大学の対応を調べたわけではありませんので,今後の情報については注意して調べてください。)

新制度入試に向かう世代のお子様方は不安でしょう。
ただ,「基礎学力が大切」という根本は変わりませんので,右往左往せずに,日々の学習をしっかりとこなしていかれれば心配はないと思います。

では。