志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

寝かせておきましょう

こんにちは。

 

幼稚園バスにお子さまが置き去りにされ,亡くなってしまうという痛ましい事故が起きました。心から哀悼の意を表して合掌いたします。

 

大きな事故にならなかったために報道されないだけで,同様の置き去り事故はたくさん起きているのかもしれません。教育関係でいうと,欠席や遅刻の連絡は重要ということでしょう。改めて気を引き締めたいと思います。

 

さて,学習塾の教室でも,生徒を置き去りにしてしまうことがあります。

念のため,私はやってしまったことはありません。

 

ある個別指導の教室でのことです。個別塾というのは,授業をするためのブースが個室のように仕切られていることが多いです。ある自習に来ていたお子さまが,そのままブースで眠ってしまいました。しかし個室なので気づかれにくい。友人の教室長は,その子がまだ残っていることに気づかず,そのまま電気を消して施錠をして帰宅してしまったそうです。

お子さまは中学生でしたので,亡くなってしまうとか,最悪の事態にはならなかったのですが,本当に心細く辛い体験だったことでしょう。あってはならないことですね。

 

かれこれ15年ほど塾で仕事をしていますが,私が勤務していない教室でのこととはいえ,そんなことが過去に2回ありました。

 

以前に働いていた教室で,初年度でもあり,緊張しつつも張り切って授業をしていときのことです。授業中にずっと眠っている生徒さんがいました。

自分の授業がつまらなくて申し訳ない気持ち,生徒さんの勉強が心配な気持ち,どうにかしてあげたいけれどどうしようもないもどかしさ,…など,いろいろと悩むものです。

 

ある日の授業後,教室で生徒たちからの質問を受け,黒板を消して戻ろうとしたときでした。数名の生徒たちと教室を出て,電気を消そうとしたとき,あの子が授業が終わったことに気づかずに,まだぐっすりと眠っていることに気がつきました。

私が気がつかなかったとしても,他の方が見回って見つけた可能性が高いのですが,ぞっとした記憶があります。事故にならなくて本当によかったです。

 

その塾では,毎回の授業内容を記録・報告するノートがありました。ある日,そのノートに,その子がいつも寝ていることを記すと,次週には上司の先生からのコメントが書き加えられていました。

「あの子は塾に寝にきているようなところがあります。」

 

心配せずに,そのまま寝かせておいてくださいとの意図が伝わりました。

立場も弱く,不安でもあり,また悩みも抱えていた初年度の私ですが,そのコメントで,何となく気持ちが軽くなって楽に授業できるようになりました。

常に,そうした配慮ができる人間になりたいですし,そうした方であれば,子どもを置き去りにするようなことはないだろうとも思うのです。

 

では。