志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

豊島岡女子が高校募集停止

こんにちは。

どなたが読んでいらっしゃるのかよくわかりませんので,たまには東京都の話題を書きたいと思います。
2022年度より,豊島岡女子が高校募集を停止するとのことです。

学校HP

豊島岡は,東京の池袋にある中高一貫進学校です。
2019年大学入試の実績では,
東大29名,一橋10名,東工大11名,慶応109名,早稲田147名…と,すばらしい合格実績です。

高校募集を停止した背景として,このあたりは推測でしかないのですが,
中学から入学した生徒に比べて,高校から入学した生徒の大学合格実績がよくないことがあると思われます。

困るのは高校受験を目指す女の子たちでしょう。
高校入試で上位校を受ける女子生徒たちには,大きく分けて2つの傾向があります。
「大学の附属を目指す」か「大学入試をする進学校を目指すか」です。
この子たちがどのような学校を受けるようになるのか考えてみたいと思います。

前提として,豊島岡女子の高校入試の難易度を簡単に書きたいと思います。
早慶の附属よりは入りやすいので,こうした学力層の子たちが滑り止めにすることがあります。
また,都立の日比谷や国立のお茶の水女子大附属よりも若干入りやすいでしょう。滑り止め、もしくは併願校として受験する子も多いです。
そして,豊島岡の入試にはある特徴があります。平均点や合格ラインが毎年ほぼ一定水準を保っているのです。入試問題を作成するのが非常にお上手です。つまり,実力通りの結果になりやすい,合否を読みやすい,その意味で滑り止めとして計算しやすい学校でありました。

大学の附属校を中心に受験をする生徒たちの中にも,早慶の附属がダメであれば,豊島岡などから大学入試を目指すという子はいらっしゃるでしょう。しかし,こうした方たちは,MARCHの附属などを豊島岡の代わりに受験するようになるのかと予想しています。

困るのは大学入試を目指す生徒たちですね。
国立大の附属高校(筑波大附属,東京学芸大附属,お茶の水女子大附属)や都立の日比谷高校などを第一志望とし,大学入試で東大などの上位国立大学を目指したいという生徒たちも少なくありません。
男の子だと,桐朋や城北などの候補がありますが,今回の豊島岡の募集停止で,女の子の受け皿となる学校がすっぽりとなくなってしまう印象です。
大学受験を目指したいとなった場合,淑徳,青稜,宝仙理数インター,…といった,面倒見のよい中堅上位校しか受け皿がなくなってしまいます。妥協して大学の附属校を滑り止めにするのか,都立高校を安全なラインまで下げるのか,など,選択肢は狭まり,どういう受験パターンを組むのか悩ましくなりそうです。

受験者自体はいろいろなところにばらけて,私立高校だと,大きく受験者が増えて合格ラインが上がるような学校は出てこないように思います。ただ,もしかすると,都立で確実なところを狙う方は増えるかもしれません。そうなると,戸山,青山などの都立高校の入試は例年よりも倍率があがる可能性はありそうです。
まだ先のことですし,私の予想でしかないのですが…。

2022年以降に受験する方たちは,豊島岡は受けられないことを頭の片隅に置きながら,行きたい学校を探されるといいでしょう。中学受験を検討される女の子の親御さんも増えるかもわかりませんね。

入試制度の変更に受験生たちが振り回されることはよくあります。北海道でも高校入試の制度が変更になるようですし,新制度の大学入試もスタートしようとしています。どのような変更があるにせよ,公平で中立性のある制度であることを願っています。また,受験生としては,情報に振り回されることなく,日々落ち着いて勉強に励むしかないですね。

では。