志学ゼミナール塾長のブログ

札幌市,中島公園近くの学習塾「志学ゼミナール」のブログです。

こんにちは。

 

ここ数日,アクセスが増えていますが,札幌開成中のグループ活動が近いからでしょうか。参考になるかどうかわかりませんが,グループ活動については,リンクの記事をご覧になってください。

 

過去の記事「集団討論や作文も一種の面接です」

https://shigakuseminar.hatenablog.jp/entry/2021/01/26/130533

 

さて,先日,久津知子先生が主催なさっている将棋サークルにおじゃましてきました。

子どもたちがたくさんいました。将棋を覚えたいという初心者の小学生たちが,こんなにも多いのかと,素直に感動いたしました。普及に熱心な久津先生には,頭が下がりますし,感謝しかありません。

もしも,札幌市内の方で将棋をはじめてみようと考えている方がいらっしゃいましたら,久津知子先生の教室を調べてみてください。あちこちでたくさん開かれています。

 

30人近くの子どもたちがいましたが,果たして,このうちの何人が大人になっても将棋を指しているでしょうか。せいぜい1人か2人のような気がします。

普及というのは,それほど地道で気の遠くなるような活動だと考えられています。しかし,ファンを増やさないことには将棋の未来もありませんので,こういった子どもたちは将棋界にとっては宝でしょう。

 

子どもたちを見て感動したには理由があります。私はかつて将棋連盟の道場で働いておりました。ここも,初心者の子どもたちがたくさん訪れてくださる普及の最前線でした。子どもたちを集めること,初心者に教えることの大変さは,少しはわかっているつもりです。札幌で30人も子どもたちが集まるのは,本当に奇跡のようなことだと思いました。それだけ久津先生が熱心だということでしょう。

 

将棋連盟の道場で,ある日,こんなことがありました。

はじめて道場を訪れた初心者の初老の男性が,やはり始めたばかりの小学生と将棋を指していました。

男性は,王手に気がつかずに王様を取られて負けてしまいます。それで,相手の小学生を怒鳴りつけた。相手の子は泣いてしまいます。

 

道場の責任者の対応がすばらしかったです。男性は即退場となり,出入り禁止です。また,その子とお父さまには,出禁にしたことを伝え,丁寧にお詫びしながら,もう怖い人はいないから,また将棋を指しに来てほしいと,安心させるようにやさしく伝えました。

 

当時,道場で指していた子どもたちの多くは,今では将棋をやめてしまったことでしょう。しかし,あの怒鳴られ少年は今も将棋を指しています。私がそれをわかるのにも理由があります。なぜなら少年はプロ棋士になったからです。

将棋界の宝,それものちに大変な価値のあるものだとわかりますが,それを守った瞬間だったのでしょう。

 

では。